【獣医の警鐘】猫エイズはどうすればいい?症状、治療と最後を解説

【獣医の警鐘】猫エイズはどうすればいい?症状、治療と最後を解説

猫 エイズ 症状

 

*この記事は前回の記事の解説ページになります。まだご覧になっていない方は、まずはそちらからご覧になってください。

 

 

 

前回の記事では、猫エイズに感染してしまい、残念な結果になってしまいました。
どうしてこうなってしまってのでしょう?
順を追って解説していきます。

 

いつ感染した?

猫 エイズ 症状

 

そもそもいつ感染したのでしょう?

感染したタイミングは、一番最初です。

外に逃げ出して、ケガをしたタイミングでエイズに感染してしまったのです。

 

たった1回逃げ出しただけで?

 

そう思われる方も多いでしょう。

実は、猫のエイズはありふれていて、どこにでもある病気なのです。

 

2008年に日本で行われた研究によると
外に出る猫の23.1%がエイズウイルスの抗体が陽性だったという結果が出ています。

 

つまり、猫を外に出した場合、4〜5頭に1頭はエイズに感染してしまう ということになります。

屋外は、猫エイズにありふれていて、いつ感染してもおかしくない状況なのです。

 

症状の進行

猫 エイズ 症状
猫エイズに感染しても、すぐに重度な症状を引き起こすことはありません。
その代わり、今回のストーリーのように、症状はゆっくりと進んでいきます。

 

急性期

症状はわかりにくい

感染の初期は、あまり強い症状が出ないことが多いです。
今回の猫も、最初少し元気がないだけで終わってしまいました。
大人の猫であれば、無症状で終わってしまうことも多く、気が付かないことも多々あります。
その後、数年〜10年くらい、無症状のまま過ごします。

 

リンパ節症期

リンパ節が腫れるが、わかりにくい

次にどんな変化がおこったでしょうか?

 

首や足に異変がおこりましたね。

触ってみると、首や足の一部がボコっと腫れている様子でした。

 

これも、猫エイズの症状の一つです。
これは『リンパ節症期』という病期です。

 

体の中には、リンパ節と呼ばれる、免疫細胞がたくさんいる部位があります。
これは体の中にもありますが、皮膚のすぐ下にも存在します。

 

リンパ節症期になると、全身のリンパ節が腫れて大きくなります。皮膚のすぐ下のリンパ節が大きくなると、今回のような異変が出てきます。

 

ただ、別に触っても痛がらないですし、本人も気にしないのが、恐ろしいところです。
気が付かないことも多いです。

 

 

エイズ関連症候群

具体的な症状が出始める

ここからの変化は、今までよりも大分わかりやすいものになってきます。

 

次に出た症状は『口内炎』でしたね?

食べる意思はあるが、口に含むと痛くてこぼしてしまう。
これが典型的な症状です。

 

そこからはなかなか治らない皮膚病
そして、病気になりやすい体になってしまいました。

 

これらはエイズ関連症候群という状態です。エイズによって免疫が破壊され、どんどん弱ってしまっている状態です。免疫力が低下しているので、病気にかかりやすい体になってしまったのです。

代表的な症状に

  1. 口内炎
  2. 猫風邪の悪化
  3. 皮膚炎

などがあります。

 

治療

猫 エイズ 症状

 

一般的には猫エイズにかかった場合は、どのような治療を行うのでしょう?

 

エイズに対して

根本治療は確立されていない

エイズ自体に対しての治療は、残念ながら確立されていないのが現状です。
人間のエイズに対しての治療薬が使用されることもありますが、どこまで発症を抑えられるかは、研究段階にあります。

 

対症療法

ステロイド、抗生剤、インターフェロンは報告あり

エイズ自体に対してはあまり有効なものがなく、症状が出る度に、薬を使っていくのが今の医療の限界になってしまいます。口内炎に対しては抗生剤やステロイド。その他の感染に対しては抗生剤を使います。また、インターフェロンという免疫物質が効いたという報告もあります。

 

今回の症例でも、最後の方は薬で抑えていましたよね。実際のケースでも似たような経過をたどることは多いです。

 

 

エイズの最後、リンパ腫

猫 エイズ 症状

 

エイズウイルスに感染すると、感染がコントロールできなくなったり、リンパ腫が発生してしまうことでなくなってしまうケースが多いです。
リンパ腫は前回も説明した通り、血液の癌です。

 

エイズの感染は、リンパ腫の発生リスクを上げてしまいます。
エイズに感染すると、リンパ腫の発生率は6倍になるといわれています。
6倍は大きいですよね。

 

エイズとリンパ腫は切っても切れない、密接な関係があるのです。
リンパ腫は血液の癌です。血液なのでほぼすべての臓器が犯されてしまうので、症状は多岐に渡ります。

 

ただ、エイズに関連したリンパ腫は、胸の中から発生することが多いです。
3歳から5歳くらいの若い猫で発症し、胸の中に水が溜まります。

 

水がたまると、呼吸がうまくできなくなり、今回のケースのように呼吸困難におちいります。
突然、ゼーゼーと口を開けて呼吸し、とても苦しそうになります。
こうなったらもう、エマージェンシーです。
一刻一秒を争う事態です。

 

今回はこのまま病院へ向かい、すぐに胸の水を抜いたので一命をとりとめました。
しかし、このまま様子を見ていたら、その日のうちに亡くなってしまった可能性は高いと考えられます。

 

しかし、一命はとりとめたものの、エイズからリンパ腫になってしまった症例は、回復が難しいことも多いです。
(特に猫白血病を併発していた場合、予後は厳しい場合が多いです。)

 

白血病も同時に感染していた場合、今回のように1か月ほどで亡くなってしまう症例も多くいます。

 

まとめ

いかがだったでしょう?エイズにかかるとどうなっていくか、の大筋が理解できたのではないでしょうか?
今回の記事のまとめです。

 

  • 外に出るとエイズに感染するリスクが上がる
  • エイズに感染しても最初はわかりにくい
  • 進行すると口内炎、猫風邪の悪化、皮膚炎などが発生
  • 最後は免疫不全リンパ腫に至る
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